★保存版★ベランダ防水工事の基礎知識

ベランダの防水工事はFRPやトップコートなど専門的な建築用語で説明されることが多く、業者によって提案内容やメンテナンス方法が異なりやすいリフォームです。

報酬部分を提案する業者、全面補修を提案する業者など家主にとって　どちらを信用すれば良いのか疑問に感じる事はすくなくありません。

そこで、このページではこれからベランダ防水リフォームを検討されている方を対象にベランダの劣化症状や防水工事の施工方法など、ベランダ防水工事を成功させる為に知っておくべき基礎知識について具体的に説明します。

ベランダ防水工事の種類について…

基本的に戸建て住宅のベランダ防水工事はウレタン防水、FRP防水の2種類になります。

基本的にベランダ防水の種類を知っておくことで、あなたの家のベランダに最適なメンテナンス方法が分かるようになるまで、まずはベランダ防水の種類について説明します。

1.ウレタン防水

ウレタン樹脂は低反発マットレスなどにも利用されていりことから分かるように、柔らかい皮膜を形成するのが特徴です。ウレタン防水は液体状の材料を使って、現場で仕上げる方法なので複雑な形状をした場所でも継ぎ目のない防水膜を形成できます。

メリット…

・FRP防水に比べ、コストが安い　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

・防水層が軽量なので、建築物にかかる負担が少ない

・複雑な形状の部位へも使用可能

・継ぎ目のない均一な仕上がり

デメリット…

・各工程で乾燥期間が必要な為、工期が長めになる

・均一な塗膜が難しい

・定期的に※トップコートをする必要がある

2.FRP防水

FRPとは繊維強化プラスティック【Fiber Reinforceed Plastics】の省略で他のプラスティック系の材料の中で対衝撃性に優れており、耐久性や加工性に優れていることから自動車のバンパーやヘルメットなどに使用されている素材です。そのFRPを防水工事に応用したのがFRP防水です。FRP防水の特徴は防水用のポリエステル樹脂と防水用ガラスマットで作られた防水層を形成することから他の素材が比べものにならないほど、高硬度で対衝撃性、摩耗性に優れた仕上がりになります。

しかし動きに対する対応性に弱く地震などによる下地の動きに追従できずに割れてしまうことがあります。

メリット…

・強度、軽さ、耐久性、耐水性、耐熱性に優れている

・均一な厚みで施工が可能

・速乾性なので工期が短くて済む

・トップコートのバリエーションが豊富

デメリット…

・コストが高い

・臭いが出る

・湿気や化学反応で硬化する為、外気温に左右される部分が大きい

ベランダの劣化症状について…

施工が正しく劣化症状を把握することで適正な修理方法がわかります。ベランダ防水工事のだいたいの必要費用がそこで分かります。

リフォーム業者に【防水工事が必要】と言われベランダの防水工事を考えるようになった方もいらっしゃると思います。

でもリフォーム会社によっては【営業トーク】として言っているだけかも知れないので、まずは施主がベランダの劣化症状を把握して適正工事を理解しておく必要があります。

1.ひび割れ

モルタルやコンクリートのベランダでよく見られる劣化現象です。

モルタルやコンクリートのひびはV字型に入り、表層広がっているのが一般的です。その為ひび割れの幅が広ければそれだけ深くまで割れていると想像できます。ヘアークラック【髪の毛程度のひび割れ】のような場合はそれほど心配する必要はありません。

新築から３年でベランダの塗装がバリバリに剥がれてきたというご相談をお客様から頂きますがFRP防水のベランダやバルコニーに多い劣化症状です。現在では新築住宅のベランダの大半がFRP防水が施されています。このFRP防水のトップコートには高硬化かつ摩耗性に優れたポリエルテル系のトップコートが塗られています。この高硬化かつ摩耗性に優れたポリエステル系のトップコートですが、紫外線や経年劣化の影響で次第にバリバリになってしまいます。

例えば長年屋外に放置されたゴムホースをイメージするとわかりやすいと思いますが数年が経ったゴムホースの表面は硬くなりヒビが入りますよね。それと同じでポリアステル系のトップコートも経年劣化で伸縮性がなくなり、パリパリと剥がれるようになります。

FRP防水後、一年もしないでトップコートが剥がれてしまった場合は施工不良が疑われます。FRPはポリエステル樹脂をガラス繊維で補強した強化プラスチックですが、FRPの原材料であるポリエステル樹脂は空気に触れている部分が硬化しにくいという特徴があります。その為、防水工事で使用されるぽりえすてる樹脂の液体にはパラフィンと呼ばれるロウの成分が混合されています。防水工事でポリエステル樹脂を流し込んだ際に、水と油の関係のようにパラフィンが上に浮いてくることで空気を遮断しFRPの硬化を促進させる働きがあるのです。そして、FRPが硬化後トップコートを塗る訳ですが、トップコートを塗る前にこのパラフィンを研摩溶剤で綺麗に拭き取り除去します。

パラフィンの拭き取り除去をしない防水工事はロウソクのカスの上にトップコートを塗るようなもので、早期の剥がれの原因につながります。